どこにでもいるSEの備忘録

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【メモ】FMEA手法と実践事例

こんな本を読んでいました。

よく見たら10年以上前の本でした。。。 全然IT関係無いですが、こちらの本を読んだのでそのメモです。

FMEAとは

FMEA (Failure Mode and Effects Analysis)とは、日本語で訳すと「故障モードと影響解析」になります。 早い話が、

部品AがBという故障の仕方をした時、影響はどの程度で、どういう対策をしなければならないかを分析すること

を指します。

目的

FEMAの目的は、システムに重大な影響を及ぼす故障要因の抽出である

へえ。

ボトムアップトップダウン解析

FMEAでは、まず故障を洗い出して、その故障をもとに影響を分析していきます。

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このように、FMEAではボトムアップ的に分析を行っていきます。

似たような分析にFTA (Fault Tree Analysis) がありますが、こちらは故障の木解析と呼ばれます。

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こちらは望ましくない「頂上事象」を設定し、それを引き起こす現象を分析していきます。 こちらは、FMEAと対象的にトップダウン的手法になります。

解析手順

こんな感じになるようです。

  1. 解析対象システムの理解
    • (インプット)要求仕様書、環境条件など
  2. 信頼性ブロック図の作成
    • (インプット)系統図、シーケンス
  3. 故障モードの抽出
    • (インプット)FMEAワークシート、故障データ
  4. 影響度解析
    • (インプット)系統図、シーケンス、操作マニュアル
  5. 知名度評価
    • (インプット)評価点表
  6. 各種対策への展開
    • (インプット)系統図、シーケンス、機器、部品の構造図

FMEAワークシート

こんな感じです。

www.ssm.co.jp

信頼性ブロック

こんな感じです。

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影響度解析

部品の故障から派生して影響がどこまで広がるかを考えます。

影響範囲の例は、

  • サブシステム
  • システム全体
  • ユーザーの安全
  • 環境

などがあります。

致命度評価

致命度Xは、故障モードの発生頻度をA、影響度をBとして

 X = A \cdot B

で算出される。

この時、B = サブシステム + システム + 安全性 となっている。

故障モード

FMEAは部品等の故障モードを洗い出すことから始まり、それを下に上位のシステムへの影響を評価します。 つまり、抽出されなかった故障モードについては全く分析されません。 そのため、故障モードの洗い出しが非常に重要となります

漏れなく抽出するための工夫

一人で黙々とやってたら間違いなく検討漏れが出るので、こんな感じの工夫がされるらしいです。

  • ブレインストーミング
    • 3~5人で意見を出し合う。
  • エネルギーフロー法
    • 電気や燃料、光などのエネルギーがどのように伝わるかをベースに、その経路に関する故障モードを検討
  • 故障データの活用
    • 過去のデータの活用
  • 図面検討
    • 図面を確認
  • ライフサイクル段階毎の故障モードの検討
    • ライフサイクルごとに考えることで、視点を変える

へえ。

FMEAの実用途

実際のところ、どんなふうに使うんでしょうか。

品質保証

FMEAはシステムに内在する問題点の摘出に利用されます。 品質、信頼性、安全性などの保証プログラムに取り入れられ、デザインレビューによる評価とともに新製品の問題の抽出に役立てられます。

、、、ということらしいです。すごい大変そう。。。

FTAとの組み合わせ

FTAはこんな感じで故障の生い立ちを分析していきます。

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(出典: http://www.ssm.co.jp/preventive/fmea_fta.html)

この辺と組み合わせることで故障の原因を特定するだけでなく、その影響範囲の分析まで可能になる。らしいです。。。

感想

まじで難しい。ITの10000000倍難しい。間違いないです。。。